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STEP AND FLAT構造」の特徴


私たちが開発している「KAITEKI道路」のコア技術である「STEP AND FLAT構造」について紹介します。この技術は、大きく2つの機構を有しています。

〇路面上に雪などが積もらない機構

路面の下が空洞となっており、路面の隙間から雪が透過できる機構を有します。これにより、路面上に雪が積もることはありません。なお、屋根や車から落ちるドカ雪(雪塊)や、水分が多く含んだ面にくっつきやすいベチャ雪を考慮して、床面材料や隙間の大きさ、路面下の深さなどを設計・開発しています。

〇荷重により床面がフラットになる機構

歩行者の荷重により、その人の周囲半径2mの路面隙間が自動で平らとなる機構を有します。足元の床材同士間の段差は約5mm以内とし、人がつまずき転倒することがないようなっています。また、荷重により床材が可動するため電気などエネルギーを使用することはありません。なお、360度どこからでも進入可能な構造、自転車、車椅子、ハイヒール、ベビーカー、視覚障害者の白杖、小動物の散歩等、様々な場面でも床材が機能する構造を設計・開発しています。

その他、FMEAやリスクアセスメント、エンドユーザーによる価値検証に基づき、床材導入部分を含めた転倒防止・安全性、床材の劣化やメンテナンス性、凍結、地震や強風など自然現象の耐候性、施工性などの設計・開発を進めています。

STEP AND FLAT(ステップ アンド フラット構造)の由来は、雪が積もらないよう穴があいており、「人が踏み出す(ステップ)すると(アンド)穴が塞がる(フラット)となる」からです。

 

開発思想「木を見て森も見る」


従来の設計では、システム(開発対象)単体で設計しているため、しばしば他のシステムとの間で障害や問題が起きています。例えば、アスファルトの更新期間は10年と言われていますが、更新約2年たらずで水道配管更新のために掘削工事をすることがありました。(下図)

こうした非効率的な管理の原因は、もともとの開発思想にあると考えています。

私たちが考える開発思想は、システム(開発対象)だけでなく、それを取り巻く他のシステム、さらに社会環境を俯瞰して設計をすることです。(下図)

これにより、システム間の障害や問題を解決し、社会によりよいインパクトを起こすことができると考えています。こうした根幹的な設計思想は、現在考えている技術や事業をピポットしたとしても変わりません。

 

社会インパクト事例


「木を見て森を見る」設計思想によって生み出される「次世代路面」の社会インパクトをまとめました。

〇社会分野

民家玄関前、駐車場、バス停や駅ホーム、高速道路のSAPA等において除雪が不要となるため、除雪に要していた除雪費用や除雪時間がなくなります。雪国エリアのQOLが向上します。

既存の除雪方法(重機、ロードヒーティング、散水融雪、凍結防止剤散布)と比較した場合、開発している道路は、維持管理費や労力がもっとも少なく、除雪で労⼒・重機、電気・熱エネルギーが⼀切不要なインフラとして、世の中にない⾰新的な技術となります。

 

〇環境分野

緑化による路面上のヒートアイランドの防止、CO2吸収などによるカーボンニュートラルに貢献できます。さらに、植物はヒトに幸福度に影響することが多くの研究で知られています。

 

〇インフラの維持管理・防災分野

道路に係る除草、路面清掃が不要となります。路面下に共同溝(「共同溝とは」国交省HP)を設置することにより、インフラをメンテナンスする都度おこなっていた路面の掘削工事が不要となります。

一方、ドローン普及など技術進歩の中、電線を共同溝で管理し無電柱化を促進することが可能です。

また、都市部においては自然災害によるインフラ損傷時に、損傷部を早期発見し復旧できる防災面のメリットのほか、路面下を緑化することで雨水が地下浸透で、下水処理超過を防止することできます。